症状は咳と鼻水。

熱は微熱。

だから大丈夫だと思った。

それよりも学校に行ける時間を大切にしたかった。

みんなと、友達と、そして何より、君と過ごす時間を1分1秒も無駄になんかしたくなかったから。



〜オレの手を煩わせるな〜



今日はヤケに寒い。

なのに何でみんなはそんなに平気なんだろうか。

「ねぇ、ルルーシュは寒くないの?」

実は寒がりで、本格的な冬場になると、制服の下にインナーを3枚は当たり前。

脱がすのにどれだけ苦労する事か…

そんなルルーシュが寒くないとはおかしいから訊いてみた。

が、そんなに寒くは無いらしい。

「そんなに寒いか?」

「寒い」

体はカタカタと、震えが止まる気配も無くずっと自然に動いてしまう。

「ちょっ…スザク!?」

何だか無償に眠くて、意識がふわっとした。

そのまま倒れそうになり、ルルーシュに支えられる。

ハズだった…

支えきれ無かったルルーシュは、僕と一緒に床にへばり付いてしまう。

そんなに無理しなくて良いのに…

元々僕より体力無いんだから。

「スザク、熱い」

おでこにルルーシュの手が触れ、そう呟かれた。

「流石の体力馬鹿も形無しだな」

鼻で笑われたが、肩を貸してくれ、自分の部屋に帰れるだけの体力は残って居ないだろうと判断され、

ルルーシュの部屋に泊めてもらう事になった。

しかもナナリーと、ナナリーのお世話をする咲世子さんに風邪がうつったら大変だからとルルーシュ自ら看病してくれるらしい。

ちょっと嬉しい特典でしょ?

「僕って幸せ者かも」

布団を首まで被り、にへらと笑うと、威張りきったルルーシュが腕を胸の前で組んで頷いているのが見えた。

もう、ルルーシュってば…

あっ…

そう言えばセシルさんに友達の家に泊まるって連絡いれてないや。

あの人の事だから心配してくれて、手当たり次第に僕がお邪魔していないか電話しかねない。

「あ、あの…ルルーシュ?」

ルルーシュの様子を伺いながらゆっくりと起き上がる。

しかし、すぐにルルーシュに押し倒されてしまった。

「病人なんだから寝ていろっ!」

布団が間に無かったから完璧にルルーシュに襲われてる図だろうなぁ〜

そんなことをぼんやりと考える。

「はいはい。ルルーシュは大袈裟なんだから…」

苦笑しながら真上の顔を見ると、心なしかはにかんで見えた。

「俺の手を煩わせるな」

そんな事、分かってるよ、ルルーシュ。

でも今日ぐらい煩わせても良いよね?

=END=





**あとがき**
スザルルで風邪ひきネタ。
相方、旭ちゃんへのプレゼント?
07.04.15